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味噌づくり

ここ木之本は雪が降る寒冷な地域ということもあり、昔から醤油蔵、酒蔵がある街で発酵文化が根付いています。地域の人の生活の中には漬物や鮒寿司などを漬ける習慣も残っています。

今回はそんな発酵食品の代表格ともいえる「味噌づくり」をレポートします。

「手前味噌」とは

「手前味噌ですが・・」という言い回しは、謙虚なニュアンスを含みながらも「自分で自分のことを褒める(自慢する)」際など使う言葉として親しまれています。この言葉の由来をご存知でしょうか?

今ではスーパーで簡単に手に入る味噌ですが、昔はどの家庭でも手作りしていました。各家庭ごとのオリジナルの味があったということです。「自分の家で作った味噌が一番美味しい」ということから「手前味噌」という言葉が生まれ現代の言い回しに由来するといいます。

寒仕込みがいい理由

一年で最も冷たい2月の「寒の水」で仕込むと味噌が傷まないと伝えられてきました。
低温で発酵がゆっくり進むことで美味しい味噌になります。そのことからここ木之本でも例年2月に仕込むことが多いです。

味噌づくりの材料

■材料
大豆・・1.8kg
米糀(玄米糀でも)・・大豆と同量か倍(倍糀)
塩・・180g

木之本のオカンたちは
「大豆は無農薬のもの」
「塩は取りお寄せしたこだわりのもの」
「米糀は玄米糀を使って倍糀で作る」
など、それぞれ長年培った「手前味噌」へのこだわりがあります。


作り続けることで「自分の味」を確立していくんですね。
これぞまさに「家庭の味」。

味噌を仕込む

1.大豆を柔らかる煮る

1日〜2日大豆を水に漬け込み、小指と親指で豆が潰れるくらいの柔らかさになるまで茹でる。(圧力鍋があると20〜30分ほどで煮ることができる)煮汁は後で使うのでとっておくこと。

2,塩きり

糀と塩を揉むようにして糀の塊がなくなるまでしっかり混ぜ合わせる。

3,柔らかく煮た大豆をペースト状にする

機械がなければすり鉢でするなどでもOK。
もし煮てすぐの大豆を使用して熱があるようなら、2,の塩きりした糀と混ぜ合わせる前に人肌くらいの温度まで冷ます。(55~60度以上の温度だと糀の発酵を妨げるため)

雪国の木之本では、雪に鍋ごと突っ込み熱い大豆を冷ますなんていう光景も!

4,塩きりした糀とペースト状の大豆を混ぜ合わせる

2,の塩きりした糀と3,のペースト状にした大豆をしっかり混ぜ合わせていきます。この時に1,で残しておいた大豆の煮汁を少し混ぜながら行います。(煮汁の量は適量です)

この混ぜ合わせる作業の時にそれぞれがもつ常在菌が混ざることも家庭の味につながります。

5,ツボに味噌を詰める

ホワイトリカーで殺菌するなど清潔にした味噌ツボに味噌を詰めていきます。この時ボール状に丸めた味噌を勢いよくツボの底の内側に打ち付けるように入れていきます。投げ入れる理由は「空気が入りカビが生える」ことを防ぐ意味がある。

すべて入れ切ったら酒粕を敷き詰めて味噌が空気に触れないように蓋をします。

最後は「どうかカビが来ませんように」とお守りの唐辛子を並べて完成!

さらに空気が入らないように隙間なくラップをして、新聞を被せて周りを紐で巻いて縛ります。ツボの蓋を乗せて冷暗所で保管します。

仕込んだ味噌はいつ食べられる?

味噌は2月に仕込んだら涼しい場所で大体9ヶ月ほど寝かせてじっくりと発酵を進めていきます 。
さらに熟成期間を伸ばすと、赤くなり味に深みがでますのでお好みで。

こちらは2年熟成の味噌、コクがあり深い味わいに。

午前中から始めた味噌づくり。作業を終えた一向の楽しみは「労をねぎらう昼食タイム」です。

オカン自慢の発酵食品や手作りスイーツなどが各自のカバンから続々と出てきます。
が、それはまたいつかご紹介しますね。

ではまた。

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