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北国街道木之本宿

木之本宿は北国街道と北国脇往還が交わる宿場町として、また、“木之本のお地蔵さん”で名高い木之本地蔵院の門前町として栄えた町。

江戸時代の記録によると、北国街道沿いには本陣や脇本陣、問屋が一軒ずつ置かれ、旅篭屋、伝馬所、高札場などが点在していました。牛馬市も頻繁に開催され、最盛期には数百頭の牛馬が集まったといわれています。

眼の仏さまとし知られる木之本地蔵院は白鴎時代に創建された古刹。参道を進むと秘仏である本尊を模して作られた6mの地蔵像が境内で迎えてくれます。また毎年開催されている「大縁日」には全国から多くの参拝客が訪れ、歩けないほどの人出で賑わいます。

当時、街道の中央を流れていた小川や柳の木はなくなりましたが、江戸時代から続く醤油醸造元や造り酒屋、平入、瓦葺に袖壁や連子格子がついた木之本特有の民家は、今も変わらず軒をつらね、往時の面影を残しています。

現在「木之本交遊館」「ダイコウ醤油」「冨田酒造」「白木屋醤油店」「山路酒造」「旧木之本宿本陣(竹内家住宅)」の6件が国の登録有形文化財に登録・答申されています。

(2021年2月末現在)

木之本交遊館

昭和10年に湖北銀行木之本支店として建てられた「木之本交遊館」は、正面にあるイオニア式の4本の円柱が特徴的な重厚な建物。今も町のランドマーク的な存在です。

(2007年7月登録)

ダイコウ醤油

創業時の嘉永5(1852)年頃に建てられたとみられている「ダイコウ醤油」。江戸時代の街道の町並みを伝える貴重な二階建ての商家です。

(2019年11月登録)

冨田酒造

室町時代後期の創業とされる「冨田酒造」は、切妻造の階2建て。幾重にも重なる屋根が特徴で、延享元(1744)年に建てられ、天保3(1832)年に増築されたとみられています。旧木之本宿の町並みを今日に伝える重要な建造物です。

(2019年11月登録)

白木屋醤油店

代々、醤油の醸造業を営んできた「白木屋醤油店」。木造2階建てで、江戸末期の建築とみられています。店の南側にある「通り土間」が特徴的。木之本の代表的な町家作りです。

(2020年11月登録)

山路酒造

江戸時代に脇本陣の役割を担っていた「山路酒造」は、室町時代から続く造り酒屋。現在の建物は木造2階建てで、昭和3(1928)年に建て替えられたもの。通りに面してガラスの大戸があり、その横にショーウィンドーを設けた瀟酒な店構えです。

(2020年11月答申)

旧木之本宿本陣

街道のほぼ中央に位置する「旧木之本宿本陣(竹内家住宅)」は、延享(1744)年に建てられた大型の町家。木之本宿の本陣を務めていたことから、同家には、参勤交代途中に宿泊した大名の宿札や古文書など貴重な資料が保存されています。また、明治時代以降は薬屋を営なまれていたため、玄関先には当時を物語る古い木製の薬の看板も残されています。

(2020年11月答申)

北国街道木之本宿の町並みは、江戸時代、明治時代、大正時代、昭和時代の建物が混ざり合い、融合することによって作られてきました。それは、街道で暮らす人たちが、古いものを守る一方、新しいものを柔軟に受け入れてきた証だともいえます。町は人々の創造や動き、出会いによって、まるで生き物のように呼吸し、カタチを変えて進化していきます。現在、残っている木之本の町並みは、まさに、この町で生きてきた人たちの歴史そのものだといえるでしょう。

木之本のツボ(このサイト)ではこの町を育んできた人々の日常とワクワクするような話題を「ツボ」に入れてお届けします。