あいたくて書房
「本の町」と呼ばれることもある木之本は、JR木ノ本駅前に「江北図書館」、北国街道沿いに3軒の本屋があります。
今回はそんな本の町で異彩を放ち、古書好き・本好きがわざわざ遠方から訪れるという本屋「あいたくて書房」をご紹介します。
本にあいに行きたくなるお店
2016年7月にオープン。店主の久保寺さんは現在、木之本の私設図書館「江北図書館」の館長を務めており、生粋の本好きとして地域で知られる存在です。
小さな店内には、古書・新書が並びますが、大手出版社のものやベストセラー本などではなく、あまり他の本屋さんでは出会えないような珍しい本を選んでいるといいます。
ここからは少しだけ取り扱っている本のご紹介をします。
昭和の古書
主には、昭和(と明治・大正)の古書が並びます。取り扱う本は小説、絵本、暮らしなどジャンル不問(漫画はありませんでした)。
女性誌「ひまわり」には、流行りの髪のアレンジ法や洋服の作り方などが掲載されていて、当時の女の子たちの憧れや理想像を知ることができます。
古い岩波文庫の小説もありました。
本棚に並ぶ本の装丁を見たり、ページをめくるとタイムスリップしたような懐かしい感覚になります。
滋賀や湖北の歴史や食文化などについてのコーナーもありました。「ふなずし」「曳山まつり」「賤ヶ岳・七本槍」など気になるワードの本がズラリ。
木之本の「能美舎」、京都の「ミシマ社」、富山の「雷鳥社」など小さな出版社の本も並んでいます。
店の至る所に思いがけない本との出会いが散りばめらています。
からくり玩具と小原かご
本以外にも地域で作られている雑貨が並びます。
木工作家の蓮渓円誠さんが手がけるからくり玩具は、動物や人をモチーフにしています。動かすとその仕掛けに「クスッ」笑ってしまうような温かな気持ちになれる作品ばかりです。
地域に伝わる民具「小原かご」は地元の山で採取したモミジやイタヤカエデの若い幹を使い編み込み作られています。持ち手がついたかご以外にも、コースターや花かごなどの小物も販売しています。
本柄のマスキングテープ、岩波文庫のノート、しおり、ブックカバーなど本に関連したアイテムも。じっくり目を凝らすと面白い本や雑貨ばかりなので、きっと訪れた方は時間を忘れて夢中になってしまうはずです。
営業時間・アクセス
「古書・文庫のあいたくて書房」
住所:長浜市木之本町木之本909
営業時間:10時〜17時
定休日:月・火・水